書類や思い出の品を手放すためのコツ:後悔しない整理術

断捨離

「後で使うかもしれない」という気持ち

この感情が原因で、不必要な物を長く持ち続けてしまうことがあります。今回は、そんな物を手放すためのコツをお伝えします。

「後で使うかも?」が汚部屋の原因に

人は何かを失うのを嫌うため、明らかに不要なものでも、まだ使える状態の物や新品同様の品は「後で使うかも」と思って捨てるのをためらってしまいます。

あなたの家にはこんなものがありませんか?

・長い間箱に入れたままの書類
・壊れたまま放置されている家電
・以前の趣味で使っていたグッズやスポーツ用品
・結婚後使っていない昔の仕事用の服やバッグ
・いつか読むつもりの未読本

いつからあるのかわからない思い出の品が詰まった箱
これらの物を今日すぐに捨てる決心がつく人は少ないでしょう。今日まで使っていなかったけれど、明日、3ヶ月後、半年後、3年後、5年後、10年後に使うかもしれない、そのときにこれがなければ困る、と考えてしまうのです。

しかし、家の中が物置状態になってしまうのは、こういった「後で使うかも」と思う物が多すぎるからです。

「後で使うかも」と思ったら、それを元の場所に戻す前に、以下のことを試してみてください。

 置き場所を変えてみる

まず、捨てることを考えずに置き場所を変えてみましょう。ただし、倉庫の奥深くにしまい込むわけではありません。「いつか使うかもボックス」を用意して、捨てられないけれど使っていない物を入れてください。箱には中身と日付を書いて、比較的取り出しやすい場所に置きましょう。

日常使うクローゼットやタンスには、現在使っている物だけを収納し、使わなくなった物には専用の置き場所を設けて経過を見ましょう。半年から1年経っても使わなければ、それは不要な物として処分しましょう。

こうすることで、捨てる決断をする前に一時的に物を移動させることができます。実際に、私はこの方法で食器やレシピ、キッチンツールなどを整理しました。料理本も全て処分しました。いくらレシピがあっても、料理が上手になるわけではないからです。

押入れや棚にある「もしかしたら使うかも」と思う物を移動させると、そのスペースが一気に使いやすくなります。

リストを作成する

全く使っていないけれど「いつか使うかも」と思って残している物をリストにしてみましょう。例えば、15年前の福袋に入っていた帽子、去年友達からもらったスカーフ、5年前に買った本、ずっと使っていないボールペンなどです。

手書きでも、スプレッドシートに入力しても良いので、一つずつリストアップしてください。この作業をしているうちに、多くの物が「もう捨ててもいい」と思えるようになります。

これは、「いつか使うかも」と思っている物を実際にはしっかり見ていないことが多いためです。リストを作成することで、その物を具体的に見直し、実際に必要かどうかを冷静に判断できます。

リストを作成しても、まだ捨てられない場合は、次のステップを試してみてください。

現実に目を向ける

「いつか使うかもしれない」と思うとき、私たちは現実を見落としがちです。頭の中で未来のことばかり考えてしまいますが、今ここにある現実にも目を向けましょう。

たくさんの物を抱えているために、今現在どれだけ苦労しているかを考えてみてください。

・物が多すぎてストレスを感じる
・毎朝、服を選ぶのに時間がかかる
・自宅の収納スペースが足りず、外部の倉庫を借りている
・休日は整理整頓と掃除に追われる(これは私の若い頃の状況でした)
・さらに収納グッズを買い足してしまう
・探し物ばかりしている
・必要な物が見つからず、同じ物を重複して購入する

これらはすべて、今実際に起こっている問題です。未来の不確かな出来事に備えるよりも、今の現実に対処することが重要です。

スペース、時間、意識、お金には限りがあります。まずは、現在直面している問題に取り組むことが大切です。

ポジティブなシナリオも考える

「後で必要になるかもしれない」「使うことがあるかもしれない」と思うとき、私たちはつい悪いことばかり考えてしまいます。例えば、「もし捨てた後に必要になったらどうしよう」「新たに買い直すには高額だろう」「もう二度と手に入らないかもしれない」などです。

これらは最悪のシナリオです。しかし、現実にはそんなことが起こるのは稀です。本当に大事なものは捨てませんし、捨てるかどうか迷うものは実際にはそれほど重要ではないのです。だから、捨てても特に困ることはありません。

つまり、

A. 後で必要になる可能性は意外と少ない

B. 仮に必要になっても、その時には他の方法で対処できる

というのが現実です。

捨てても世界が終わるわけではありません。それでも、人は「捨てた後に最悪の事態が起きる」と心配してしまいます。

でも、そうならない可能性も考えてみませんか?

例えば、

・捨てたことをすぐに忘れて、何も問題が起きない
・スペースが空いて、気持ちがすっきりする
・数年後に必要になったけど、簡単に安く手に入れられた
・捨てたことがきっかけで、ミニマリスト生活を始めた

といった良いことが起こる可能性もあります。

最悪のシナリオを考えるのは仕方ありませんが、必ずポジティブなシナリオ(あるいは現実的なシナリオ)も一緒に考える習慣をつけましょう。

物を捨てる恐怖を手放す

誰でも物を捨てるときに不安を感じます。それは普通のことですが、何を捨てるにも強い恐怖を感じるなら、その恐怖を手放す方法を考えてみましょう。

物を捨てることは、それほど恐れる必要はありません。何年も家の中に放置されていた物を捨てても、特別な悪いことは起きません。普通に暮らしていれば、生存が脅かされることも滅多にありません。

昔は、物を捨てることが重大なリスクを伴うことがありましたが、現代ではそのようなことは起きません。ですから、捨てる恐怖を拡大させないようにしましょう。

何かをする際に恐怖に支配されていると、心は平穏ではありません。恐怖ではなく、自己実現や好奇心などのポジティブな動機を基にして断捨離を行う方が、楽しく取り組めるでしょう。

番外編:捨てることで得る経験値

「後で使うかも」と思っている物を、少し勇気を出して捨ててみましょう。最初はハードルの低い物から始めると良いです。実際に捨ててみると、「思っていたほど必要なかった」と感じることが多いです。

たとえそう感じなくても、いきなり恐ろしいことが起きるわけではありません。捨てる体験を重ねることで、捨てることへの恐怖は薄れていきます。

捨てる瞬間に「もったいない」と感じるのは自然ですが、その後、過去の体験を振り返ってみてください。例えば、

・すぐに後悔した
・捨てた物のことを時々思い出すが、特に辛くはない
・捨てた日から生活が快適になった
・もっと多くの物を捨てたくなった

このようなデータを収集することで、捨てることへの恐怖が和らぎます。

最終的には、実際に捨ててみないと、その後どう感じるかはわかりません。影響が少なそうな物から捨て始め、経験を積み重ねてください。

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